iPadとシングルタスクとルサンチマン。
iPad、待ちに待った製品がついに登場。
でも、iPhone登場以来ずっと待っていたマルチタスクではなかった。将来的にはiPhoneも含めてマルチタスクになるんだろうけど。
カメラがつかなかったのも残念だけど、個人的にはそんなに使わないから、まあ残念という程度。
ただ、マルチタスクに関してはどうしても譲れないのよ。
メールに書かれた数字みながら、計算機立ち上げて計算して、結果をブラウザのテキストボックスにコピペしたいとか、いまどきパソコン初心者だってやるでしょ?
電子書籍読みながら「この単語なんだっけ?ちょっと辞書で調べたいな」と思うことなんてしょっちゅうだし、そういうときにいちいち電子書籍のアプリを落として辞書アプリ起動するなんてのは、かなりの思考の断絶、集中力のロスになってしまう。
twitterなんかで「シングルタスクで正解。ひとつのことに集中できる。操作がシンプルになる」と主張する方がたくさんいて、まあそうういう方は上のような使い方はきっとしないんだろうなと、iPadってのは、少なくとも現状はそういう方のための製品なんだろうなと納得してみた。
でもそういう層ってどれだけいるんだろうね。「やった、シングルタスクだからシンプルで作業に集中できるぞ!」って喜んでいる人たちって。iPhoneと同じで、将来的にはマルチタスクになってほしいと思いながら購入する人もたくさんいるだろうから、販売台数ではそういう数字は明確に表れないだろうけれど。
いつの日かiPadがマルチタスクになったら、「シングルタスクで正解」と主張していた方々は、きっと「ああ、使い方複雑になっちゃったし、なんだかOSも不安定だし、いろいろできるから集中できないし、早くシングルタスクに戻してくれ」と言うのだろうか。
私はやっぱり「シングルタスクで正解」にはまったく同意できない。「正解」ではないでしょ?
「いまのところはシングルタスクでも、まぁいいんじゃない?シングルタスクでもいいから、自分はこれが欲しいんだよ」という主張ならすんなり理解できるのだけれど。
シングルタスクが正しくて、マルチタスクを求めるのはアップルの思想を理解できてない強欲な連中だとでも言わんばかりの発言には、ものすごいルサンチマンを感じてしまうのよね。
とはいえ、iPadはとても魅力的な製品で、教育分野や、音楽でもたとえば楽譜表示とか、それこそ楽器・シンセとしてもかなり使えそう。ビジネスでも会議のやり方を変えてしまいそうな力を感じる。いままでのタブレットPCとはどこか一線を画しているような凄さがあるように思う。価格も素晴らしく安いしね。
シングルタスクで正解、と言うか、そこに拘る温度差の話のような気がします。想定している使い方の差と言うか。
マルチタスク/シングルタスクってあくまでスペック上の話で、狙ってるターゲットや提案したいライフスタイルは、そんな言葉の意味も知らない層や重要でない使い方を想定しているように思えます。若い時のジョブズならあり得ない発想かも知れませんが、あまりクリエイティブな志向じゃないんじゃないかな、と。
個人的にはiPhoneと同等の疑似マルチタスク的なUIで、そんなに思考の中断にはならないんじゃないかな、と踏んでます。正解かどうかと言うより、プライオリティはそんなに高くない、って感じですかね。結果的にそれがユーザー体験の阻害になるかどうかは、自分は技術者ではないのでなんとも断言し難い所で、単にiPhoneにおける「閲覧」機能を拡張したデバイス、と言う事でなら、そんなに拘る所ではないんだろうな、くらいの感覚です。iPhoneで調教されてしまったのか、別段、がっかりもしなかったし、先々マルチタスクになって欲しい、とも特に思わないんですが。
>メールに書かれた数字みながら、計算機立ち上げて計算して、結果をブラウザのテキストボックスにコピペしたいとか、いまどきパソコン初心者だってやるでしょ?
これに近い事(或いは代わる事)は、マルチタスクに拘らずともスマートなUIを用意してきそうな気がするんですよね。寧ろその辺を味わいたい、と言うのが本音。もしかしたらそれこそ信者的変態的思考パターンかもですが。
そもそもマシンスペック上、不可能ではない事を敢えて封じてきたからには、それより重きを置いた物があったと言う事で、決してシングルタスクでもつまらない思いはさせないぜ、的な自信を感じるんですよね。信者の思い込みかも知れませんが。
さすがにiPhoneにコピペがなかった頃(初代無印からのユーザーです)は痛切なルサンチマンを感じていましたが、今回はそのステップは超えたかな、と言う気がするのです。
書き忘れてしまいましたが、Flashの方が残念、と思いました。スペック的な話以外にも政治的な力関係があるんでしょうが、ユーザー体験を重視するなら、そこにハードルがあるのはかなり痛いな、と。
ジョブズがクリエイティブ志向じゃなくなったってのは、なぜだか私もすごく感じます。
年とったからそういう目で見てしまうというのもあるんでしょうが、それ以上に何か…
さて、私はiPhone使っててものすごく思考の中断があるので、なんとかしてほしいなと常に思っています。
ウェブサイト見てれば辞書とパパッと行き来したいし、家計簿つけてれば家計簿アプリと計算機とクレジットカードのサイトを行き来したい。Macならウィンドウ並べておけるけど、iPhoneだといちいちホームに戻らなきゃならない。
iPadで読書するのに、これじゃ横に分厚い辞書置いておかなきゃいけないんだろうなと思うと、非常に残念です。
たしかに言葉的には何タスクだろうと、私も上に書いたようなことができればいいんですが、基本的にシングルタスクでは当面そういうことはできないですからね。いちいちアプリの終了と起動繰り返さなきゃないわけで。
シングルタスクでも終了時に作業途中のステータスを書き出しておいて、起動時に読み込むということができれば、それこそ「疑似マルチタスク」が実現できますが、起動も終了もけっこう時間かかっちゃいそうです。アプリ開発側も余計で多大な苦労を強いられることになります。
二本指フリックでアプリ切り替えできとか、ホーム長押しでExposeとかできたとして、そんなに複雑かなぁと思うんですよね。シングルタスクで割り切ったほうがユーザー体験的によいとは全然思えないです。
でもまぁシングルでも気にならないという方が、長年のMacユーザーの中にもかなり多いようなので、気になるほうがおかしいというか、こだわりすぎなのかもしれません。ただ最近のMac関係のライターさんの発言を見ても、「みんなアップルに優しくなりすぎなんじゃないの?」とは感じます(笑)
私も10年以上のアップル信者ですが、アップルが「シングルタスクであることに自信がある」ようには思えないんですよ。感じ方はいろいろあるでしょうが、むしろ「iPodの小さい画面で誰が動画なんて見るの?」って言ってた頃のような感じがします。
「シングルタスクでシンプルな体験をしてもらいたい」のではなくて、本音は「もうちょっと待ってね」じゃないのかなと。
アップルの内情がわかりませんので、超個人的な推測ですが…
t0moriさんが書かれているように、iPadって現状はやっぱりビューアなんだと思うんです。
(まだ実物触ってないんでひょっとしたら後で違う感想になるかもしれませんが)
ジョブズじいさんが、縁側で子供や孫の写真見つつメール書いて、ちょっと読書しながら昼寝する、みたいな。
ビューアとしてとらえれば、やっぱりFlashは相当な需要があるのでしょうから(私はほとんど必要ないんですが)、現状のiPadのスペック・機能からいって、早急に対応したほうがよいと思います。
ここはやっぱ、アップルが変にこだわりすぎだよなと。
あと、ルサンチマンについてですが、ちょっと誤解があるような。
コピペがない時代は私もとても悔しい思いをしました。ほんと、辛かったですよね(笑)
こういうとき、「コピペなんてないのがシンプルで素晴らしい、新しいケータイのあり方だ」という一種の痩せ我慢を正当化するような思想を持てばルサンチマンってことになりますが、単に悔しい思いをしていたというだけではルサンチマンではなかったはずです。
「シングルタスクでも別にいいじゃん」、あるいはその逆の「シングルタスクなんてイヤじゃんイヤじゃん」というのは素直な感想ですが、「本当はマルチにしてほしいと思いつつ、シングルタスクであることが正解なんだといろいろ理屈つけて自分だけではなく周りにも吹聴してまわる」ってのがルサンチマンかなと。
それはさておき、こうやってアップル製品について久々にいろいろと言いあえて、とても懐かしく、楽しい気分です。最近はどこかこう、「あ、新しいの出たの。いいね。欲しいね。」くらいで終わっていたもので…
そういう意味で、やっぱり革新的な製品なんだなぁ、iPad。
長々としたコメントに反応ありがとうございます。
本当は投稿前に長くなったので、自分の所書き直してお知らせした方が、と思ったのですが、面倒になってそのまま投稿してしまいました。
>ジョブズじいさんが、縁側で子供や孫の写真見つつメール書いて、ちょっと読書しながら昼寝する、みたいな。
そうですね。まさにそう言うイメージで発表を聞きました。
>ルサンチマンについてですが、ちょっと誤解があるような。
ああ、自分の場合、コピペがないのを補完するWebアプリとか、ブックマークレットを駆使したサービスとかが出てきたのを、ない故と好意的に受け止め、自分に言い聞かせて楽しんでいた所があるので、ルサンチマン、と。まあ、ちょっと違いましたね。
それとこことか、ちょっとわが意を得たりと言うか、これも変態思考の一つかもですが。
http://tamachan.jugem.jp/?eid=653
何れにせよ、Macintosh→Newton(不発)→iMac以降のMac→iPod→iPhone→iPadと、毎度物議を醸し出す、Appleの本領発揮のようで嬉しい限りです。
余談になりますが、最近の不満と言えば、Magic Mouseは本当に僕にとっては不満の残る製品でした。造形だけは美しいので、今じゃ元のケースに収められ、窓辺の飾りだったりします。
マウスとキーボードから抜け出せそうという点ではたしかに凄いのですが、個人的には「それはiPhoneで体験済み」という印象があります。とはいえ、実際触ってみるとだいぶ違うのかもしれませんね。
ところで、子供やお年寄りにもアピールする製品、「 For The Rest Of Us」な製品と考えた時には、やはり文字入力がネックになりそうですね。そういったユーザ層にとってローマ字打ちは難しいだろうし、私の大好きなフリック入力も20-40代ユーザーでさえ「難しい」という評判が多いようです(そんなに難しいのものか?と思いますが)。iPhoneにも搭載されているケータイテンキー入力もよいのですが、お年寄りにはひょっとしたら50音配列キーボードのほうが向いているのかもしれないなどと思います。
あと、ユーザー管理というか、使うに当たってログイン・ログアウトがないのは、パソコンが苦手な方にも受け入れられそうな点かなと。テレビ感覚で、電源オンすれば使えるというか。
家族で共有するのを想定したときにはちょっと工夫がいるかもしれませんが…
やっぱ一人一台がいいですよね。
本の代わりとして使うときには、並べて読みたいときもあるので、数台買わなくちゃですが(笑)
Magic Mouse、時々重いがけずスクロールしますが(とくにエクセル使ってるとき…)、私はけっこう便利に使ってます。高さがなさすぎてちょっと手が疲れることはありますが、あまり気にならないレベルです。
ただ、冬は始めに触るときものすごく冷たくなっていて驚きます。これだけはなんとかしてほしいものです…